ノウハウ発信で差別化するには? 誰でも言えるテクニックでも独自性は出せる
ノウハウ発信だと他の人と同じことしか言えないよ。差別化するにはどうすればいい?
ノウハウと一緒に「根拠」「具体例」「経験」「利点」を伝えるといいよ
この4つを文章に織り込むと、あなたならではの発信になるよ。詳しく解説するね!
「根拠」で信用度がアップ
「同業者なら誰でも知っている一般的なテクニックだから、自分以外にも発信している人はたくさんいる…」
そう思うと、伝えることをためらってしまいますよね。
差別化が難しいノウハウを、自分ならではの発信にしたいときは、次の4つを文章にプラスしてみましょう。
(1)根拠
(2)具体例
(3)経験
(4)利点
さっそく(1)の根拠から、具体例を交えてお伝えします。
「主観的根拠」と「客観的根拠」
まず根拠には、「主観的根拠」と「客観的根拠」の2つがあります。
主観的根拠は、あなた自身がそのノウハウを語れる理由。
客観的根拠は、あなた以外の第三者が、そのノウハウの重要性を語っている事実、です。
【例文】根拠を伝える
たとえば文章術の1つに、「1文を60字以内にすると読みやすくなる」というテクニックがあります。
このテクニックを、文章力に悩む起業家さんに伝えたい場合。主観的根拠と客観的根拠も一緒に書くと、次のようになります。
【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。
【主観的根拠】
これは10年書くことを仕事にしてきたからこそ、自信を持ってお伝えできるテクニックです。
【客観的根拠】
文章術の本にも、必ずといっていいほど書かれています。
根拠を一緒に伝えると、そのテクニックの効果を信じられるし、「身に着けたほうがいいんだな」と自然に思えるのではないでしょうか?
無理に両方の根拠を入れなくてもOKです。
ノウハウとセットで、どちらか一方の根拠を伝える習慣を持つと、書いている内容の「信用度」がアップします。
「具体例」で納得感を引き出す
つづいては「具体例」です。
ノウハウを語るときに注意したいのは、抽象度が高くなることです。
抽象度が高いと、読み手の中に「言いたいことはわかった。でも、実際どういうこと?」という疑問が浮かびやすくなります。
抽象度が高いと、実感が伴わない
たとえば「1文は60字以内にする」というテクニックも、文章を読めばテクニック自体は理解できます。
しかし、60字以内の文章と、それ以上の文字数の違いは実感できません。
「頭」で理解できても、「体感」できない。この溝を埋めるのが「具体例」です。
【例文】具体例を伝える
実際に具体例を加えて、1文を60字以内にするテクニックを紹介します。
【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。
【具体例】
まずは105字で書かれた例文を読んでみてください。
105字の文章
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきて、おばあさんは驚いたけれど、とっさにそれを拾って家に帰ると、その桃から男の子が生まれたので、おばあさんは、その子を「桃太郎」と名付けました。
これを全文60字以内にすると、次のような文章になります。
全文60字以内の文章
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきました。おばあさんは驚きましたが、とっさにそれを拾って帰宅。するとその桃から、男の子が生まれました。おばあさんは、その子を「桃太郎」と名付けました。
比較しやすいように、表現に大きな修正は加えていません。
しかし文章を短くするだけで、ずいぶんと読みやすくなりました。
内容があたまにスッと入ってきますよね。
このように具体例で説明されると、読み手は「なるほど、そういうことか!」と理解を深められます。
どう実践すればいいのかイメージが湧くのです。
イメージが湧くと「この人の発信は役に立つ」と思えるし、そのノウハウを試したくもなります。
テクニックを伝えるだけでは、理論で終わってしまう。そこを実践に落とし込んで、読み手の「納得感」を引き出す。
具体例には、そんな効果があります。
「経験」で共感が生まれる
親近感を持てるエピソードを選ぶ
つづいては「経験」です。
経験は、そのノウハウに関連している自分のエピソードを語ること。
読み手が「自分と同じだ」と思い、親近感を持てるエピソードを選ぶことがポイントです。
【例文】経験を伝える
こちらも例文でお伝えします。
【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。
【経験】
今だからこそ言えるのですが、私はライターになった当初、編集の方からこんなフィードバックをよくもらっていました。
「文章が長い。わかりにくいです」
編集者は、私が書いた文章の最初の読者。
積極的に読み進めてくれている編集者にも伝わらないなら、読み手にはもっと伝わらない。
読み手に伝わらなければ、ライターとして生き残れない。
そう実感したので、私は「読みやすく、わかりやすい文章」を研究し、1文60字以内で書くことを徹底。
するといつしか、「いつもわかりやすい記事を書いてくれるので、ぜひ青野さんにお願いしたい」と言われるライターになれました。
文章力に悩む起業家さんと同じ悩みを、私もライターになりたての頃は抱えていました。
最初から完璧だったわけではない。編集者に指摘されたり、わかりやすい文章を書かなければライターとして生き残れない危機感を持ったからこそ、成長できた。
そんな経験を語ることで、読み手の中に共感が生まれます。
「利点」で価値が高まる
最後に「利点」です。
利点は、そのノウハウやテクニックを知ると、読み手にどんな良いことがあるのか。メリットや得られる変化をはっきりと示すことです。
メリットを実感できなければ、試さない
いくら重要なノウハウでも、人はそれが「本当に自分に必要だ」と実感しなければ、試そうとしません。
だから「本当に必要だ」と感じてもらうために、そのノウハウを習得した先の明るい未来をイメージしてもらうのです。
【例文】利点を伝える
「1文60字以内」のテクニックを、相手の利点を示しながら書くと次のようになります。
読み手は、文章力に悩む起業家さんを想定しています。
【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。
【利点】
読みやすい文章を書けるようになると、伝えたいことを誤解なく届けられるようになり、説得力も増します。
するとお客様は、「わかりやすいから、この人から教わりたい!」という気持ちに。
1文60字以内は、読みやすい文章の基本。ぜひ日々の発信で意識してくださいね。
ノウハウと一緒に利点を示すと、そのテクニックを身につけたあとの「うれしい未来」をイメージできます。
すると、そのノウハウを習得する価値がアップ。そのテクニックを発信してくれた人の存在感(重要性)も、読み手の中で大きくなっていきます。
あなたが語る意味=独自性
根拠・具体例・経験・利点が、独自性に
これまでの例文で紹介してきた「1文60字以内」のテクニックは、私でなくても、誰でも語れる文章術です。
でも、そこに「根拠/具体例/経験/利点」をすべて織り込むと、次のような文章になります。
【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。
【主観的根拠】
これは10年書くことを仕事にしてきたからこそ、自信を持ってお伝えできるテクニックです。
【客観的根拠】
文章術の本にも、必ずといっていいほど書かれています。
【具体例】
具体的にどういうことか、例文を使って解説しますね。
まずは105字で書かれた例文を読んでみてください。
105字の文章
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきて、おばあさんは驚いたけれど、とっさにそれを拾って家に帰ると、その桃から男の子が生まれたので、おばあさんは、その子を「桃太郎」と名付けました。
これを全文60字以内にすると、次のような文章になります。
全文60字以内の文章
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきました。おばあさんは驚きましたが、とっさにそれを拾って帰宅。するとその桃から、男の子が生まれました。おばあさんは、その子を「桃太郎」と名付けました。
比較しやすいように、表現に大きな修正は加えていません。
しかし文章を短くするだけで、ずいぶんと読みやすくなりました。
内容が頭にスッと入ってきますよね。
【経験】
今だからこそ言えるのですが、私はライターになった当初、編集の方からこんなフィードバックをよくもらっていました。
「文章が長い。わかりにくいです」
編集者は、私が書いた文章の最初の読者。
積極的に読み進めてくれている編集者にも伝わらないなら、読み手にはもっと伝わらない。
読み手に伝わらなければ、ライターとして生き残れない。
そう実感したので、私は「読みやすく、わかりやすい文章」を研究し、1文60字以内で書くことを徹底。
するといつしか、「いつもわかりやすい記事を書いてくれるので、ぜひ青野さんにお願いしたい」と言われるライターになれました。
【利点】
起業家の場合、読みやすい文章を書けるようになると、伝えたいことを誤解なく届けられるようになり、説得力も増します。
するとお客様は、「わかりやすいから、この人から教わりたい!」という気持ちに。
1文60字以内は、読みやすい文章の基本。ぜひ日々の発信で意識してくださいね。
誰が語っても一緒の発信を、差別化する
(1)根拠
(2)具体例
(3)経験
(4)利点
差別化が難しいノウハウにこの4つを織り込むと、誰が語っても一緒の発信から、あなたが語るからこそ意味のある発信に変わります。
それこそが、差別化であり独自性です。
(3)の経験に関しては、ちょうどいいエピソードがない場合もあります。なので無理に全部を織り込まなくてもかまいません。
けれど(1)根拠(2)具体例(4)利点は、じっくり考えれば出てくるはず。
教えるビジネスは具体例を出す習慣を
特に講師業やコンサル業などの「教えるビジネス」をしている人は、(2)の具体例を出す習慣が大切です。
「具体的には?」「たとえば?」と問いかける習慣を持ち、具体例で説明する癖をつけると、わかりやすく伝える力が育ちます。
ぜひ日々の発信に取り入れてくださいね。