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ノウハウ発信で差別化するには? 誰でも言えるテクニックでも独自性は出せる

ノウハウ発信で差別化するには? 誰でも言えるテクニックでも独自性は出せる
bluefield1218
あむにゃん
あむにゃん

ノウハウ発信だと他の人と同じことしか言えないよ。差別化するにはどうすればいい?

こずえ
こずえ

ノウハウと一緒に「根拠」「具体例」「経験」「利点」を伝えるといいよ

こずえ
こずえ

この4つを文章に織り込むと、あなたならではの発信になるよ。詳しく解説するね!

「根拠」で信用度がアップ

「同業者なら誰でも知っている一般的なテクニックだから、自分以外にも発信している人はたくさんいる…」

そう思うと、伝えることをためらってしまいますよね。

差別化が難しいノウハウを、自分ならではの発信にしたいときは、次の4つを文章にプラスしてみましょう。

(1)根拠
(2)具体例
(3)経験
(4)利点

さっそく(1)の根拠から、具体例を交えてお伝えします。

「主観的根拠」と「客観的根拠」

まず根拠には、「主観的根拠」と「客観的根拠」の2つがあります。

主観的根拠は、あなた自身がそのノウハウを語れる理由。

客観的根拠は、あなた以外の第三者が、そのノウハウの重要性を語っている事実、です。

根拠を伝える

【例文】根拠を伝える

たとえば文章術の1つに、「1文を60字以内にすると読みやすくなる」というテクニックがあります。

このテクニックを、文章力に悩む起業家さんに伝えたい場合。主観的根拠と客観的根拠も一緒に書くと、次のようになります。

【例文】根拠と一緒に伝える

【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。

【主観的根拠】
これは10年書くことを仕事にしてきたからこそ、自信を持ってお伝えできるテクニックです。

【客観的根拠】
文章術の本にも、必ずといっていいほど書かれています。

根拠を一緒に伝えると、そのテクニックの効果を信じられるし、「身に着けたほうがいいんだな」と自然に思えるのではないでしょうか?

無理に両方の根拠を入れなくてもOKです。

ノウハウとセットで、どちらか一方の根拠を伝える習慣を持つと、書いている内容の「信用度」がアップします。

「具体例」で納得感を引き出す

つづいては「具体例」です。

ノウハウを語るときに注意したいのは、抽象度が高くなることです。

抽象度が高いと、読み手の中に「言いたいことはわかった。でも、実際どういうこと?」という疑問が浮かびやすくなります。

抽象度が高いと、実感が伴わない

たとえば「1文は60字以内にする」というテクニックも、文章を読めばテクニック自体は理解できます。

しかし、60字以内の文章と、それ以上の文字数の違いは実感できません。

「頭」で理解できても、「体感」できない。この溝を埋めるのが「具体例」です。

具体例を伝える

【例文】具体例を伝える

実際に具体例を加えて、1文を60字以内にするテクニックを紹介します。

【例文】具体例と一緒に伝える

【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。

【具体例】
まずは105字で書かれた例文を読んでみてください。

105字の文章
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきて、おばあさんは驚いたけれど、とっさにそれを拾って家に帰ると、その桃から男の子が生まれたので、おばあさんは、その子を「桃太郎」と名付けました。

これを全文60字以内にすると、次のような文章になります。

全文60字以内の文章
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきました。おばあさんは驚きましたが、とっさにそれを拾って帰宅。するとその桃から、男の子が生まれました。おばあさんは、その子を「桃太郎」と名付けました。

比較しやすいように、表現に大きな修正は加えていません。

しかし文章を短くするだけで、ずいぶんと読みやすくなりました。

内容があたまにスッと入ってきますよね。

このように具体例で説明されると、読み手は「なるほど、そういうことか!」と理解を深められます。

どう実践すればいいのかイメージが湧くのです。

イメージが湧くと「この人の発信は役に立つ」と思えるし、そのノウハウを試したくもなります。

テクニックを伝えるだけでは、理論で終わってしまう。そこを実践に落とし込んで、読み手の「納得感」を引き出す。

具体例には、そんな効果があります。

「経験」で共感が生まれる

親近感を持てるエピソードを選ぶ

つづいては「経験」です。

経験は、そのノウハウに関連している自分のエピソードを語ること。

読み手が「自分と同じだ」と思い、親近感を持てるエピソードを選ぶことがポイントです。

経験を伝える

【例文】経験を伝える

こちらも例文でお伝えします。

【例文】経験と一緒に伝える

【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。

【経験】
今だからこそ言えるのですが、私はライターになった当初、編集の方からこんなフィードバックをよくもらっていました。

「文章が長い。わかりにくいです」

編集者は、私が書いた文章の最初の読者。

積極的に読み進めてくれている編集者にも伝わらないなら、読み手にはもっと伝わらない。

読み手に伝わらなければ、ライターとして生き残れない。

そう実感したので、私は「読みやすく、わかりやすい文章」を研究し、1文60字以内で書くことを徹底。

するといつしか、「いつもわかりやすい記事を書いてくれるので、ぜひ青野さんにお願いしたい」と言われるライターになれました。

文章力に悩む起業家さんと同じ悩みを、私もライターになりたての頃は抱えていました。

最初から完璧だったわけではない。編集者に指摘されたり、わかりやすい文章を書かなければライターとして生き残れない危機感を持ったからこそ、成長できた。

そんな経験を語ることで、読み手の中に共感が生まれます。

「利点」で価値が高まる

最後に「利点」です。

利点は、そのノウハウやテクニックを知ると、読み手にどんな良いことがあるのか。メリットや得られる変化をはっきりと示すことです。

メリットを実感できなければ、試さない

いくら重要なノウハウでも、人はそれが「本当に自分に必要だ」と実感しなければ、試そうとしません。

だから「本当に必要だ」と感じてもらうために、そのノウハウを習得した先の明るい未来をイメージしてもらうのです。

利点を伝える

【例文】利点を伝える

「1文60字以内」のテクニックを、相手の利点を示しながら書くと次のようになります。

読み手は、文章力に悩む起業家さんを想定しています。

【例文】利点と一緒に伝える

【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。

【利点】
読みやすい文章を書けるようになると、伝えたいことを誤解なく届けられるようになり、説得力も増します。

するとお客様は、「わかりやすいから、この人から教わりたい!」という気持ちに。

1文60字以内は、読みやすい文章の基本。ぜひ日々の発信で意識してくださいね。

ノウハウと一緒に利点を示すと、そのテクニックを身につけたあとの「うれしい未来」をイメージできます。

すると、そのノウハウを習得する価値がアップ。そのテクニックを発信してくれた人の存在感(重要性)も、読み手の中で大きくなっていきます。

あなたが語る意味=独自性

根拠・具体例・経験・利点が、独自性に

これまでの例文で紹介してきた「1文60字以内」のテクニックは、私でなくても、誰でも語れる文章術です。

でも、そこに「根拠/具体例/経験/利点」をすべて織り込むと、次のような文章になります。

【例文】根拠・利点・具体例・経験を入れる

【テクニック】
1文を60字以内にすると、文章がグッと読みやすくなります。

【主観的根拠】
これは10年書くことを仕事にしてきたからこそ、自信を持ってお伝えできるテクニックです。

【客観的根拠】
文章術の本にも、必ずといっていいほど書かれています。

【具体例】
具体的にどういうことか、例文を使って解説しますね。

まずは105字で書かれた例文を読んでみてください。

105字の文章
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきて、おばあさんは驚いたけれど、とっさにそれを拾って家に帰ると、その桃から男の子が生まれたので、おばあさんは、その子を「桃太郎」と名付けました。

これを全文60字以内にすると、次のような文章になります。

全文60字以内の文章
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が流れてきました。おばあさんは驚きましたが、とっさにそれを拾って帰宅。するとその桃から、男の子が生まれました。おばあさんは、その子を「桃太郎」と名付けました。

比較しやすいように、表現に大きな修正は加えていません。

しかし文章を短くするだけで、ずいぶんと読みやすくなりました。

内容が頭にスッと入ってきますよね。

【経験】
今だからこそ言えるのですが、私はライターになった当初、編集の方からこんなフィードバックをよくもらっていました。

「文章が長い。わかりにくいです」

編集者は、私が書いた文章の最初の読者。

積極的に読み進めてくれている編集者にも伝わらないなら、読み手にはもっと伝わらない。

読み手に伝わらなければ、ライターとして生き残れない。

そう実感したので、私は「読みやすく、わかりやすい文章」を研究し、1文60字以内で書くことを徹底。

するといつしか、「いつもわかりやすい記事を書いてくれるので、ぜひ青野さんにお願いしたい」と言われるライターになれました。

【利点】

起業家の場合、読みやすい文章を書けるようになると、伝えたいことを誤解なく届けられるようになり、説得力も増します。

するとお客様は、「わかりやすいから、この人から教わりたい!」という気持ちに。

1文60字以内は、読みやすい文章の基本。ぜひ日々の発信で意識してくださいね。

誰が語っても一緒の発信を、差別化する

(1)根拠
(2)具体例
(3)経験
(4)利点 

差別化が難しいノウハウにこの4つを織り込むと、誰が語っても一緒の発信から、あなたが語るからこそ意味のある発信に変わります。

それこそが、差別化であり独自性です。

(3)の経験に関しては、ちょうどいいエピソードがない場合もあります。なので無理に全部を織り込まなくてもかまいません。

けれど(1)根拠(2)具体例(4)利点は、じっくり考えれば出てくるはず。

教えるビジネスは具体例を出す習慣を

特に講師業やコンサル業などの「教えるビジネス」をしている人は、(2)の具体例を出す習慣が大切です。

教えるビジネスに具体例は欠かせない

「具体的には?」「たとえば?」と問いかける習慣を持ち、具体例で説明する癖をつけると、わかりやすく伝える力が育ちます。

ぜひ日々の発信に取り入れてくださいね。

Profile
青野 梢
青野 梢
伝わる文章づくりのパートナー
個人事業のキャリアサポーター
1981年、愛媛県生まれ。住宅設備メーカーで提案型の接客を経験後、31歳のときに未経験からフリーランスのライターに転身。

サンケイリビング新聞社が発行する広告媒体の編集を経て、インタビュー記事の執筆にも取り組む。女性のライフ&キャリアを応援するWebメディア「日経ウーマンオンライン」や「日経xwoman」の執筆・編集にも従事。

専門分野であるキャリア形成を体系的に学ぶため、国家資格キャリアコンサルタントを取得。ビジネス書の編集も手掛ける。これまで書いた記事は800本を超え、インタビューした人は300人以上。

取材相手からは「気づきの多い時間だった」「頭の中をスッキリ整理できた」という言葉をもらうことが多く、対話を通してその人の人生や思いを深く掘り下げることが得意。

現在は約10年のライティング&インタビュー経験を生かし、伝わる文章づくりをサポートするサービス「Amu(あむ)」を展開。起業家・フリーランス向けの文章&発信術や、ライター向けの取材&執筆術を伝えている。
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