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【言語化力アップ】解像度を上げて「語彙力がない」を改善する方法

bluefield1218
あむにゃん
あむにゃん

ブログで自分の考えをしっかり伝えたいけど、語彙力がなくて「すごい」「やばい」「うれしい」といった言葉しか出てこない…

こずえ
こずえ

まずは「観察力」を身につけて、それを言葉にする練習をするといいよ!

あむにゃん
あむにゃん

観察力とは…

こずえ
こずえ

「視点」と「深さ」に注目して、物事を丁寧に見ていくことだよ。映画の感想を例にして具体的に説明するね!

語彙力は、相手の疑問に答える力

映画の感想を聞かれたとき、「やばかった」「すごかった」「面白かった」といった言葉しか出てこないと、「私の語彙力どこいった…」と思って落ち込みますよね。

しかし、なぜ「やばい」「すごい」を連発すると、語彙力がないことになるのでしょうか?

それは「相手が知りたいこと」に答えていないからです。

映画を観た感想を聞くとき、相手が本当に知りたいのは、やばい・すごいと感じた「具体的な箇所」や「理由」です。

それらを伝えるために必要なのは、専門的な知識でも、豊富な言葉のバリエーションでも、言葉を使いこなす力でもありません。

物事を見るときの「視点」と「深さ」。つまり「観察力」が必要なんです。

語彙力よりも観察力

たとえば映画の感想を例にして、視点と深さを考えてみましょう。

視点と深さで、解像度を上げる

視点は「何に」やばさを感じたのか

視点とは、その人が映画の「どこに」「何に」やばさを感じたのか、です。

演技なのか、キャラクターなのか、映像なのか、脚本なのか。

どのポイントに注目して映画を観るかは、人によって違います。その注目したポイントが「視点」です。

「視点」を考える

深さは「なぜ」やばいと感じたのか

一方、深さは、その人が「なぜ」その映画をやばいと感じたのかです。

キャラがやばいと感じても、やばいと思った理由は人によって違います。そこを掘り下げて考えることが「深さ」です。

掘り下げて考える一例を紹介します。

「なぜ?」で深く観察する一例

Q. なぜキャラがやばかったのか?
A. 主人公と自分が似ていたから

Q. なぜ自分と似ていると感じたのか?
A. 主人公と同じような失恋を経験したから

Q. なぜ同じような失恋をしたらやばい?
A. 映画に感情移入できて泣けるから

【結論】失恋の経験がある人は感情移入できて泣ける映画

こうして視点と深さに注目して観察すると、

失恋経験がある人は、感情移入できて泣けるからオススメ。私は主人公と自分を重ねて感動したよ

と、具体的な感想を語ることができます。

語彙力の前に、言語化力が必要

この感想に難しい言葉は使っていないので、一般的に「語彙力がない」といわれる状態は、言葉を知らないわけではありません。

語彙力は、知っている言葉の数が豊富で、状況に合わせて言葉を使いこなす力のことです。

しかし知っている言葉の数が多くても、伝えるためにはまず、自分の想いや考えを言葉にする「言語化力」を育てる必要があります。

そして言語化力を育てるためには、物事をさまざまな視点から深く掘り下げて考える「観察力」を養う必要があるのです。

語彙力、言語化力、観察力

言い換えると、観察力は、さまざまな視点から物事を掘り下げて考える力。

言語化力は、さまざまな視点から掘り下げて考えたことを言葉にする力。

語彙力は、さまざまな視点から掘り下げて言葉にしたことを、状況や相手に合わせてわかりやすく伝える力です。

観察力が、言語化力・語彙力の土台

解像度を上げる質問

つまり伝える力のベースは、観察力。

観察力は、ビジネスシーンではよく「解像度を上げる」と表現されます。

荒い画像を鮮明にするためには、日頃から次のような質問を自分に投げかけてみましょう。

解像度を上げる質問
  • どこが?
  • 何が?
  • なぜ?
  • それで?
  • だから?

まずは映画の感想でOK。

小さな積み重ねが言語化力や語彙力につながり、やがて伝える力に育ちます。

文章で自分の人柄を伝える方法

日記ブログを卒業すれば個性が出る

解像度を上げて観察する習慣がつくと、文章で自分の人となりを伝えることもできます。

たとえば以下の文章だと、ただの日記か感想文です。

日記/感想文

今日はお客様からお礼のメールをいただいて、とてもうれしい1日でした。

家族や友人であれば喜びを共有してくれるかもしれませんが、面識のない人がこの文章を目にしても、印象には残りません。

そこでこの出来事を、視点と深さで観察してみましょう。

【例文】感想文に視点と深さを加える

まず視点は、「どこが・何がうれしかったのか?」を考えることです。

「どこが?」「何が?」と問いかけると、次のような答えが出てきます。

視点を考える

Q. どこが、何がうれしかった?

A. 自分の講座を受けたことで、お客様に変化が生まれたことがうれしかった。

A. その変化を丁寧にメールで伝えてくれるお客様の人柄に感動した。

視点を考える

次に深さは、「なぜ?」を考えることです。

なぜお客様に変化が生まれるとうれしいのか自問すると、次のような答えに行き着きます。

深さを考える

Q. なぜお客様が変化するとうれしい?

A. 自分の仕事が誰かの役に立っている実感を持てるから。

Q. なぜ役に立ったらうれしい?

A. それが仕事のやりがいであり、日々の活力だから。

深さを考える

この視点と深さを文章に織り込むと、次のようになります。

感想に「視点」と「深さ」を加えた文章

【感想】
今日はお客様からお礼のメールをいただいて、とてもうれしい1日でした。

【視点】
このお客様は、講座を通して○○から○○の状態になれたそう。

それを丁寧に伝えてくれるお客様の人柄に、私こそお礼を言いたい。

【深さ】
自分の仕事が誰かの役に立っている。

そう実感できることが仕事のやりがいであり、日々の活力になっています。

言語化力アップが、独自性に

「うれしい1日だった」と感想を伝えるだけの文章よりも、人柄や価値観が伝わる文章になっていますよね。

このように、丁寧に自分の感情や思考を観察し、それを文章の中に織り込んでいくと、その人ならではの視点や捉え方を表現できます。

そしてこの独自の視点こそが、その人の個性。

直接「私はこういう人です」と主張しなくても、自然とパーソナリティーや大事にしていることを伝えられます。

つまり観察力を磨いて言語化力をアップさせることが、独自性につながるのです。

Profile
青野 梢
青野 梢
伝わる文章づくりのパートナー
個人事業のキャリアサポーター
1981年、愛媛県生まれ。住宅設備メーカーで提案型の接客を経験後、31歳のときに未経験からフリーランスのライターに転身。

サンケイリビング新聞社が発行する広告媒体の編集を経て、インタビュー記事の執筆にも取り組む。女性のライフ&キャリアを応援するWebメディア「日経ウーマンオンライン」や「日経xwoman」の執筆・編集にも従事。

専門分野であるキャリア形成を体系的に学ぶため、国家資格キャリアコンサルタントを取得。ビジネス書の編集も手掛ける。これまで書いた記事は800本を超え、インタビューした人は300人以上。

取材相手からは「気づきの多い時間だった」「頭の中をスッキリ整理できた」という言葉をもらうことが多く、対話を通してその人の人生や思いを深く掘り下げることが得意。

現在は約10年のライティング&インタビュー経験を生かし、伝わる文章づくりをサポートするサービス「Amu(あむ)」を展開。起業家・フリーランス向けの文章&発信術や、ライター向けの取材&執筆術を伝えている。
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