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【文章力アップ】伝わるブログを書くために今以上の語彙力は必要ない

【文章力アップ】伝わるブログを書くために今以上の語彙力は必要ない
bluefield1218
あむにゃん
あむにゃん

ブログで誰かの役に立つ情報を発信したいけど、語彙力がないからうまく伝えられないよ…

こずえ
こずえ

書いて伝えるために必要なのは、語彙力というより「相手に合わせて言葉を選ぶ力」と「普段使いの言葉を組み合せて語る力」だよ

こずえ
こずえ

ライター歴10年で発見した「伝えるコツ」を紹介するね!

「語彙力」と「伝わる」は別問題

「語彙力がある人」と聞いたとき、みなさんはどういう人をイメージしますか?

(1)プロっぽい専門的な言葉がスラスラ出てくる人

(2)物知りで、普段使わないような特別な言葉をたくさん知っている人

語彙力がある人のイメージは?

「語彙力がない」と悩む方の話を詳しく聞いてみると、たいていはこのどちらか、もしくは両方のイメージを持っていることが多いです。

でも実は、語彙力があるからといって、人に伝わる文章が書けるとは限りません。

プロっぽい専門的な言葉を使わなくても、特別な言葉をたくさん知らなくても、伝わる文章は書けます。

伝えることを目的とするならば、むしろ避けたほうがいいくらいです。

その理由を、例文付きで解説しますね。

【例文】専門的な言葉がNGな理由

プロっぽさ VS 読み手ファースト

たとえばオンライン起業について学び始めたばかりの人に、LPとは何なのかを説明する場合。

専門的な言葉を使ったプロっぽい文章で書くと、次のようになります。

(1)専門的なプロっぽい文章

リスティング広告やSNS広告などから遷移した訪問者が、最初にアクセスする縦長のWebページ。コンバージョンの獲得に特化している。

一方、読み手に合わせて言葉を選んだ場合は、次のような書き方になります。

(2)読み手に合わせた文章

サービスの特徴や良さ、購入後のメリットなどを詳しく伝えるWebページ。サービス購入などのアクションを起こしてもらうために制作する。

「LPって何?」と思っている人に説明する場合、どちらがわかりやすいと思いますか?

(2)のほうがわかりやすいと感じるはずです。

なぜならオンライン起業について学びはじめたばかりの人は、おそらくマーケティングも初心者。

であれば、リスティング広告やコンバージョンという言葉を聞いてもピンとこないはずです。

読み手に合わせた言葉を選ぶ

すでにLPを制作して商品を販売している人なら、(1)の専門的な文章でも理解できます。

けれどLPを知らない人にとっては、書かれてある言葉が難しすぎる。だからLPが何なのかもイメージしづらい文章です。

知識量と経験値の差を意識する

誰かの悩みを解決する発信の場合、読み手には自分と同じ「知識量」や「経験値」がありません。

プロと同等の知識や経験があるなら悩まないし、検索して調べようと思わないので、その発信を見る必要もないですよね。

専門的なプロっぽい文章は、自分と同じ知識量や経験値がないと、相手に伝わりません。

だから伝えるときには、知識量や経験値の差を考慮して、相手が理解できるわかりやすい言葉で伝える必要があります。

頭の中に「?」が浮かぶと、読まれない

子どもの頃、みなさんも一度は経験がありませんか?

「知らない言葉を調べるために辞書を引いたら、解説文にも知らない言葉が出てきて、さらに混乱した…!」ということが。

語彙力とは?

これと同じことをブログやSNSの発信ですると、読み手は「この人、知識はあるんだろうけどわかりづらいな…」と感じます。

一度そう感じると、「この人の発信を今後もチェックし続けよう!」とはなりませんよね。

読み手の頭の中に「?」が浮かぶと、どんなに専門性があって語彙が豊富でも、悲しいことに相手には伝わりません。

必要なのは、語彙力ではなく、相手の知識や経験値に合わせて言葉を選ぶ力なんです。

【例文】特別な言葉がNGな理由

語彙力の本に載っていた単語「外連味」

つづいては、読み手に理解してほしいなら「特別な言葉」は使わないほうがいい、というお話です。

先日、近所の書店に行くと、ビジネス書コーナーに「語彙力を身につけるための本」が並んでいました。

その中の1冊を手に取り、ページをめくってみたところ…。「外連味」(けれんみ)という言葉が載っていました。

外連味

恥ずかしながら私は、この言葉を生まれてはじめて知りました。私の日常には存在しない言葉だったんですね、「外連味」は。

みなさんは、この言葉を知ってましたか?

私に学がないだけかも…という不安はありますが、少なくとも日常会話で使う言葉ではないはず。

この言葉を使って文章をつくると、次のような感じになります。

「外連味」を使った文章

外連味のあるブログタイトルは人を引き付ける半面、読み手をがっかりさせる危険性があります。

読んでいる最中に、「外連味ってどういう意味だっけ?」となりませんか? 

あるいは、文脈から意味を予測して読むのではないでしょうか。

こうした状態は、読み手に負担がかかります。

読み手は読後にスッキリしたい

1つなら我慢できても、何度も聞きなれない単語が出てくると、人は読むことも理解することも諦めます。

国語の勉強をするために読んでいるわけではないからです。

読み手は基本的に、自分の悩みをスッキリさせるために読んでいます。

普段使いの言葉だから、理解が進む

ここでようやく外連味の意味をお伝えすると、外連味は「ハッタリやごまかしを効かせた演出のこと」を指すそうです。

でも、わざわざ外連味という言葉を使わなくても文章はつくれます。たとえば、こんなふうに。

「外連味」を使わない文章

ハッタリを効かせたブログタイトルは、人を引き付ける半面、読み手をがっかりさせる危険性があります。

「ハッタリを効かせた」という普段使いの言葉(誰が聞いてもわかる一般的な言葉)に言い換えただけで、文章の意味が頭の中にスッと入ってくるはずです。

語彙を今以上に増やす必要はない

語彙が豊富だと、たしかに物知りな印象にはなります。が、それよりも大事なのは読み手がすんなりと理解できることです。

読むスピードと同じ速さで、内容を理解できる言葉を使う。

これが伝わる文章のポイントです。

伝わる文章のポイント

伝わる文章に必要なのは、特別な単語ではありません。日常会話に困っていないのであれば、語彙を今以上に増やす必要はないんです。

相手の知識量や経験値に合わせて、誰もが知っている言葉を組み合わせ伝える。

この練習をするだけで、わかりやすく読みやすい文章に変わります。

伝える力は「教える仕事」の必需品

教え上手は、相手のやる気を育てる

社会人になったばかりの頃、私は先輩や上司が何を言っているのかうまく理解できませんでした。

業界特有の言葉や、その会社独自の言葉などが飛び交っていたからです。

でも、新人教育がうまい先輩は、私でもわかるような言葉で仕事を教えてくれました。

すると不思議なことに、「この先輩からもっと仕事を教わりたい」という気持ちになり、仕事への不安よりも学ぶ意欲のほうが大きくなりました。

そうなると、私にとって先輩は、頼れる師匠的な存在に。

わかりやすさが、頼れる安心感を生む

こうした経験をふまえると、相手の習熟度に合わせて言葉を選ぶ力と、普段使いの言葉を組み合わせて伝える力は、「教える仕事」をしている人には必須の力だといえます。

「この言葉遣いで、相手がすんなり理解できるかな?」

お役立ち情報を提供するブログを書くときには、この問いかけをしながら書いてみてください。

特に、講師業やコンサル業をしている人にとって、わかりやすく伝える力は必需品。

この力があると、自然と誰かの「頼れる存在」になれますよ。

Profile
青野 梢
青野 梢
伝わる文章づくりのパートナー
個人事業のキャリアサポーター
1981年、愛媛県生まれ。住宅設備メーカーで提案型の接客を経験後、31歳のときに未経験からフリーランスのライターに転身。

サンケイリビング新聞社が発行する広告媒体の編集を経て、インタビュー記事の執筆にも取り組む。女性のライフ&キャリアを応援するWebメディア「日経ウーマンオンライン」や「日経xwoman」の執筆・編集にも従事。

専門分野であるキャリア形成を体系的に学ぶため、国家資格キャリアコンサルタントを取得。ビジネス書の編集も手掛ける。これまで書いた記事は800本を超え、インタビューした人は300人以上。

取材相手からは「気づきの多い時間だった」「頭の中をスッキリ整理できた」という言葉をもらうことが多く、対話を通してその人の人生や思いを深く掘り下げることが得意。

現在は約10年のライティング&インタビュー経験を生かし、伝わる文章づくりをサポートするサービス「Amu(あむ)」を展開。起業家・フリーランス向けの文章&発信術や、ライター向けの取材&執筆術を伝えている。
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